Monday, October 17, 2011

iPhone連動のメモ帳選びに結論!? 『KYBER SmartNote』を試す

iPhoneと連動するメモ帳に新商品が加わった。オーリッドが販売する『KYBER SmartNote』だ。キングジムの『SHOT NOTE』、コクヨの『CamiApp』に加え、第3の商品とも言うべき『KYBER SmartNote』。手書き文字をデジタルデータ化してiPhoneに残せるのが同メモ帳の最大の特徴だが、その精度はどうなのか。オーリッドに直接伺った話も交ぜながらレポートしよう。

他社とは違うiPhone連動のメモ帳

『KYBER SmartNote』はiPhoneアプリ『KYBER』と組み合わせて使用するiPhone連動のメモ帳だ。手書きメモを専用アプリを通じて撮影すると台形や色補正が施されて、iPhoneにメモが残せる。ここまでは他社製品と同じだが、ひとつだけ決定的に違うのは、単に画像補正が施されたものではなく、手書き文字がテキストデータに変換されてiPhoneに残るということだ。。

手書き文字がデジタルデータ変換されるので、アプリ内の編集機能を使って文字編集も行える。テキストを送信してPC上で編集したりすることもできる。さらには、Evernoteにアップロードしたり、TwitterやFacebookに投稿したりすることも可能なのだ。

『KYBER SMART NOTE』。現在販売されているノートは11.5x6x1(cm)の1種類のみ
メモる前にしておくこと

手書き文字をデジタルデータ化するに当あたって、まずはアカウントIDとパスワードを設定しなければならない。その後で必要になるのがアクティベーションだ。アクティベーションは、専用アプリでノートに記されたコードを読み取るところから作業は始まる。


アカウントIDとパスワードの設定画面

ノート1枚目を開きアプリを通じてコードを撮影。アクティベーションすると画面右下にデジタル化可能な回数を表示iphone4 ケース
この作業を行うのには理由がある。それは、『KYBER SMART NOTE』が手書き文字をデジタルデータ化するためのチケットの役割を果たしているからだ。メモ帳1冊あたりのメモ用紙は全29枚あり、アクティベーションを行うと、手書き文字のデジタル化は最大29回行えるようになる。つまり1枚につき1回、テキストデータに変換してくれる。29回を超える場合は別途ノートを購入しなければならない。

アクティベーションを済ませると、画面右下に「iPhone:29」と表示され、残り何回利用できるのかがここでわかるようになっている。

ちなみに、手書き文字のテキストデータ化にこだわるなら、『KYBER SMART NOTE』は必須ではない。有料のサービスになるが、専用アプリ『KYBER』を使って手書き文字のテキスト化が行える。こちらの場合は、撮影した写真の中の文字もテキスト化してくれるので、たとえば道路標識に記された文字もデジタルデータ化してくれるのだ。

こう記すと、『KYBER SMART NOTE』は『KYBER』を使うためのチケットに過ぎないという見方ができることがおわかりいただけるのではないだろうか。

汚い手書き文字でもきちんとデジタル化される?
ケース iphone4
話がそれたが、実際に『KYBER SMART NOTE』を使った場合の精度を試してみよう。用意したのは、とても上手とはいえない手書き文字。果たして正しく認識されるのだろうか。


今回使ったのはこの2パターン。メモ帳なので殴り書きすることを前提とした。我ながら美しさのない残念な文字……
手書き文字がデジタルデータ化されるまでの手順としては、専用アプリ『KYBER』を起動し、メモ帳の四隅に配置されたマーカーが画面におさまるように撮影する。そうするとメモ帳四隅にオレンジの線が引かれた画面が出現するので、画面右下の「プレビュー」を押す。その後で表示された画面右下のアップロードを押し、しばらく待つだけとなる。


四隅のマーカーが画面におさまるように撮影するとオレンジの線が出現
「プレビュー」を押すと補正が施される。「アップロード」でデジタルデータ化の処理工程に回る

デジタル化の処理工程に回るとアプリ上には「デジタル化中」と表示。それが終わると「新着」に変わる
待ち時間はまちまちなのでなんともいえないようだが、今回については2分弱。できあがったのが下の写真だ。原本と照らし合わせ、一字一句みていくと、ほぼ正確にデジタル化されている。ひとつはノーミス、もうひとつもほとんどノーミスに近かった。


句点までしっかりと再現されていた。この例ではノーミス

「いったい」が「ひったい」になっていたがこの程度なら許せる
ちなみに、先ほども記したとおり、誤って表示された文字については編集できるので、誤りが数点であれば、修正してもそれほど時間はかからないはず。手書き文字のデジタル化という点では、個人的には申し分ないレベルだと思う。手書き文字がデジタルデータになることで、メールでPCに送信し、PC上で編集することもでき、様々なところで使えそうである。


誤って表示された文字はiPhone上で修正可能

タグの作成も手書き文字をデジタル化する
なぜ精度が高いのか

精度の高さに驚くばかりだが、ここにはちょっとしたヒミツがある。それは、手書き文字を専用アプリで撮影し、OCR処理した後に、その処理が正確に行われているのかを、オペレーターが目視して確認しているからだ。

個人的には、この部分が気になった。人の目で確認するとはいえミスもあるはず、ここまで高い精度なのは、何か仕組みがあるのではないか。一方で、メモ内容が人目に触れるというのはなんとも不安だ。その2点について、販売元のオーリッドに聞いてみた。
iphone4
まずは精度の高さの秘密について。同社の近藤誠上席執行役員によると、オペレーターのもとにはOCR処理後のメモの断片が2人のオペレーターのもとに届き、それが正しく認識されたか否かを「○」「×」の判定をしているとのことだ。

2人のうちいずれかが「×」と判定した場合には、OCRの結果を破棄し、別のオペレーターのもとにメモの断片が届き、入力が施される。複数のオペレーターによる入力・チェックにより精度を上げているとのことだ。

もうひとつ、メモ内容が人目に触れることについて。オペレーターのもとに届くメモの断片とは、メモ用紙の1行に記された文字だ。メモを1行ごとに切り分けることでオペレーターのもとに届く情報の一覧俯瞰性を排除しているとのことである。

さて、今後についてもお伝えしておくと、同社ではA6サイズ、A7サイズのノートを追加し商品ラインナップを拡充するほか、専用ケースの販売も行う。さらには、スケジュール管理用のメモ帳の販売も視野にいれており、複合機やホワイトボードなどの外部機器との連携も考えているという。これからの展開にも注目しておきたい商品である。

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